◆ 相談事例

理事の引継ぎについて

Q1 理事には理事長の他にいくつかの役職がありますが、理事の担当業務ごとの引継ぎはどのようにすればよいですか。

A1 理事会運営の一般事項や、各担当理事の概略の業務については、役員全員が知っておくことが大切です。そのために役員全員が一堂に会して引継ぎを行うと良いでしょう。各担当理事、各部会や監事ごとに引き継ぎを行うことが継続性の維持に効果がありますので、全役員による引継ぎとは別に、必要に応じて下表のような個別の引継ぎも行うことをお勧めします。

専門委員会の必要性と理事会との関連について

Q2 専門委員会はどのような場合に設置するものでしょうか。その運営の方法や理事会との関係はどうなりますか。

A2 専門委員会は必要に応じて設置しますが、総会で決議された事項を執行するにあたり、検討事項が長期的な検討を要する重要な案件で専門的知見を要するような場合などは、理事会は専門委員会にその検討を諮問し、専門委員会はその検討結果を答申します。
理事会は委員会を通して外部の専門家からの助言を得たり、専門委員の適切な助言を得ることができます。
 委員の選任では、現に居住する組合員の中からの公募、または、組合員や理事会の推薦により理事会の決議によって選任する方法が考えられます。委員には、経験や知識があることに加えて、検討事項に誠実で協力的であることが求められます。また、委員に少数名の理事を含めると理事会との円滑な連携が期待できますが、理事長が専門委員会の委員や委員長と兼務することは、専門委員会の第三者性を維持する観点から一般的には避けた方がよいでしょう。
 専門委員会の答申について、理事会はそれを尊重すべきですが、理事会として改めて答申の内容を検討し、必要に応じて専門委員会に説明を求めることもできます。
専門委員会の検討案件が更に大がかりで理事会の責任と権限を越える事項である場合や、理事会活動に認められている経費以上の費用が専門委員会での検討に必要となる場合、また、後述のように委員会の目的、委員の選任方法や任期等を含めた運営細則を定める場合は、総会の決議が必要となります。
 専門委員会を設置する代表的な例としては、大規模修繕工事、管理規約の改正、管理会社の見直し、共用部分の変更、管理費等の値上げや植栽管理等があります。

関係書類の保管期間について

Q3 管理組合設立当初から総会・理事会議事録、規約、委託契約書、決算書類はすべて保管してありますが、保管期間など法律で定められているのでしょうか。

A3 規約は、建物の区分所有等に関する法律では、管理者が規約を保管し、保管場所は建物内の見やすい場所に掲示しなければならないと定められています。また、利害関係人からの規約の閲覧の請求があれば正当な理由がない限り拒むことはできないとされていますので、当然永久に保管する必要があります。
 総会・理事会議事録(決算報告書等議案添付書類を含む)は、規約で一般的には規約の保管に準じた保管方法が定められています。議事録は訴訟等様々な局面で必要となる重要書類ですから永久的に保存する方がよいでしょう。その他の書類で永久に保管すべきものはマンションの設計図書です。「建築確認申請書」(建築が許可された当初の図面)「竣工図書」(建築途中の設計変更を含め、完成した状態の図面)は大規模修繕工事に際して必要となります。委託契約書については現契約書・旧契約書ともに保管しておくべきでしょう。会計関係の領収書、請求書、振替伝票や補助簿などは、各管理組合の実情に応じて保管年数を決められるのがよいでしょう。ただし、滞納者がある場合の履歴の情報として必要なもの(滞納者別に発生日、金額、費目、督促状況などを整理した資料)はそれを超えて保管しておく必要があります。収納スペースがなくなってきた場合には、総会や理事会でその書類の性質、内容、必要性を検討し、保管期間を決めて順々に処分していく方法が考えられるでしょう。

監事の役割について

Q4 先の管理組合の総会で、私は監事に選任されましたが、管理組合における監事の役割を教えてください。

A4 一般的に管理組合には役員として理事長、副理事長、理事、監事がおかれます。監事とは理事会が誠実に任務を履行しているかをチェックする機関です。
 管理組合の日常の業務は理事会によって行われます。総会で理事会に一任された業務や規約で定められた日常業務(共用部分の維持管理、官公署との渉外業務、広報・連絡業務他)を執行し、収支予算案・決算案・規約変更などの案・その他総会提出案を作成します。理事はこれらの重要な業務を組合員の代表として誠実に遂行する義務を負います。そこで、内部的な自主的監督機関として監事という役職が設けられているのです。監事の職務は管理組合の業務の執行や財産状況の監査と総会におけるそれらの報告です。
 監事は、いつでも、理事及び理事会で採用した職員に対して業務の報告を求め、又は業務及び財産の状況の調査をすることができます。管理組合の業務の執行及び財産の状況について不正があると認めるときは、臨時総会を招集することができます。
 監事は理事会の決議に参加できませんが、理事会に出席し必要があると認めるときは、意見を述べなければなりません。また理事が不正の行為をし、もしくは当該行為をするおそれがあると認めるとき、又は法令、規約、使用細則等、総会の決議若しくは理事会の決議に違反する事実若しくは著しく不当な事実があると認めるときは、遅滞なく、その旨を理事会に報告しなければならず、その場合において必要があると認めるときは、理事長に対し、理事会の招集を請求することができます。もし、請求があった日から5日以内に、その請求があった日から2週間以内の日を会日とする理事会の招集の通知が発せられない場合は、その請求をした監事は、理事会を招集することができます。
 このような職務の性質上、監事は理事とは独立した立場でなくてはなりませんので、理事がこれを兼任することはできません。

賃貸人が防火管理者になることについて

Q5 防火管理者が転居されるため、新しい防火管理者を選出しなければならなくなりました。賃借人の中に資格を持たれている方がいらっしゃるので、その方にお願いしようと思いますが、賃借人に防火管理者をお願いしてもよいものでしょうか。

A5 防火管理者は「建物の区分所有等に関する法律」によって定められた役職ではなく、消防法で定められた、居住者が50人以上(戸数にして約15戸以上)のマンションにおかなければならない消防の管理者です。分譲マンションの防火管理者は、管理者たる理事長によって居住者の中から選任され、理事長が代表をつとめる共同防火管理組織を統括し、消防設備の維持管理方法、火災発生時の自衛消防の役割分担、消防訓練の実施方法などを定めた消防計画の作成などを行います。消防法は、マンションの居住者を、区分所有者と賃借人に区別していないので、賃借人の方が防火管理者になられても、なんら問題はありません。分譲マンションの共同防火管理組織は、あくまで理事長が代表となっているので、管理組合主導で運営されるものですが、賃借人の方も同じマンション内で生活されているので、共同防火管理組織の活動を通じて防火意識を高めていくことは大事かと思われます。
今回のケースの場合、賃借人の方が防火管理者になられることで、組合員の方とともにマンション全体として、防火意識を高めていくことができますし、ふだん疎遠になりがちな賃借人の方と、さまざまな活動を行っていくというマンション全体の交流としても、意義があることではないでしょうか。

バルコニーに布団を干せるようにしたいという要望に対して

Q6 私のマンションではバルコニーの手摺への布団干しは禁止となっています。居住者よりお天気の良い日などは是非干したいという要望があるのですが。

A6 マンションでは、布団が落下した場合の通行している人への危険性からバルコニー手摺や窓枠などに寝具、敷物、洗濯物などを干すことを禁止していることが多いようです。 基本的には住民に対して布団干しが禁じられている理由とバルコニーの内側に干すような工夫を居住者に周知し理解いただくことが大切です。それでも要望があるときは、総会において普通決議で使用細則の変更をすれば可能ですが、その対策を検討し、併せて総会に提案する事が必要です。